乳腺外科:当院では乳がん検診に加えて、自覚症状のある方の検査、検診で要精査になった方の2次精査、乳がん術後の経過観察、転移再発乳癌の治療、セカンドオピニオン外来をしています。
1.自覚症状のある方は、検診ではなくて、保険診療を受けるようにしましょう!
自覚症状のある方は、検診ではなくて、保険診療を受けるようにしましょう!
と書くと、何を言っているのだろうと不思議に思う方がいらっしゃるかもしれません。
検診は症状のない方が、多分大丈夫だけれど、気づかない乳がんがあるかもしれない、ということで自費(公的な補助も含めて)で受けるものです。
一方、保険診療は、おっぱいに症状があるので乳がんを含む何かの病気かもしれないと診断してもらうためのものです。
検診はスクリーニングと言って決まった検査をするだけですが、症状のある方はどんな検査を受けるか医師が判断することになりますので、症状があればかならず検診ではなくて、保険診療で乳腺外科を受診するようにしましょう。
検診で要精査になった場合はかならず乳腺外科を受診しましょう。
いつも要精査になるからまあいいか、と油断していると今回は別の所で検査が必要になっていることもあります。
また要精査になったけれど自分で触ってみて何もないから大丈夫という自己判断もせっかくの検診を無駄にしてしまう可能性があります。
検診は自覚症状のない段階、触ってもよくわからないような小さな早期の乳がんを見つけることが目的です。
要精査になった場合は必ず二次精査と言って、乳腺外科での診断を受けるようにしましょう。
乳がんは早期に発見すれば大部分が命に関わらない病気です。
その要因の一つとして、お薬の治療がとても進んでいる、過去の研究結果に基づいて、乳がんのタイプ別に標準治療と言って一番良い結果になると予想される治療が決まっていることがあげられます。
大きく分けるとお薬には内分泌治療といって女性ホルモンに対する治療と化学療法と言って細胞を攻撃する治療に分けられ、ごく早期の乳がんをのぞいて、そのどちらかもしくは両方を受けることになります。
現在内分泌治療は5~10年が標準的な治療期間であり長期の通院が必要になります。
大きな病院では5年たつと場合によって主治医が3回ほど交代してしまうことがあります。
クリニックでは基本的に継続して1人の医師が治療に関わりますので、経過を把握しやすく患者さんにとってのメリットがあると思われます。
大きな病院で手術をして、普段の通院はクリニックで、経過中に入院治療が必要となるような問題が起きた場合はまた病院で、といった対応を病診連携(病院と診療所の連携)といって、たいていの大きな病院では対応している経過観察方法です。
普段の通院は当クリニックでとご希望の方は現在の主治医にご相談いただくか、直接当クリニックにご相談いただいても対応させていただきます。
残念ながら乳がんはひとたび転移や再発を起こすと、治癒が困難な病気になります。
治療の目的はいかに普段の生活の質を落とさずに、かつ癌を悪くしない(長く生きられるようにする)ということになります。
転移や再発の状態、体の状態、年齢、それぞれの個人が置かれた環境、患者さん本人の意向が、症例ごとに大きく異なりますので、それらをよく考慮して治療方針を決めていくことになります。
何がベストなのかは、患者さんそれぞれの価値観によっても異なってくると考えます。
当院では転移再発治療の標準治療をベースに症例ごとの状況をよく検討して、ご本人が納得して受けられる治療をしていきたいと考えています。
また、転移再発乳癌の場合は、積極的治療と言って癌に対する治療のほかに、癌による痛みなどの症状を軽減する緩和治療も必要となることがあり、それらも平行して行っていきます。
経過中に入院治療が必要な場合は大きな病院との連携をとって治療にあたることになります。
乳がんをふくむ乳腺の疾患に関して、他院で診断を受けたり、治療方針を提示されたが、他の意見も聞いて最終決定したいという場合で、当クリニックをご希望の方はご相談ください。
(要電話予約)大事なことを決めるときにもう一人誰か別の人に話を聞くといったことに特に遠慮は不要と考えます。
私自身勤務医時代は、自分が提示した診断や治療方針に特に問題がないと思っていても、患者さんの不安を取り除くために、セカンドオピニオンのご希望がないかどうかの確認はこちらからさせていただいていました。
ご希望されない方の方が多かったですが、中にはセカンドオピニオンに行かれた方もおられ、そのほとんどの方が、安心してお戻りになられ、治療を受けていただくことができました。
セカンドオピニオンは決して主治医との関係を悪くするものではありませんので、ご希望の方は主治医に現在の状況のわかる紹介状と資料を依頼してご持参ください。
ただし、どうしても主治医に言いづらいけれど、セカンドオピニオンを受けたいという方については、資料なしでご本人の説明をもとにしたお話をさせていただくことは可能です。
ただしその場合はどうしても、内容が不確かなものになることをご了承ください。
(セカンドオピニオン外来 12000円(税別)/30分、5000円/以降20分毎)